腕時計メンテナンスの修理工具/腕時計固定バイス(スクリューバック用)

腕時計でもスクリューバックの裏蓋を開けるにはオープナーも必要ですが腕時計を固定するバイスが必要になります。この写真は私が使用してる工具で、おそらくは1970年代の物です。

このハンドルを回してバイスの幅を調整して腕時計を挟み込んで固定します。間のシャフトにはバネが装着されていまして写真の金属部分で右側は固定されています。左の金属部分のみが可動式になっています。

裏側から見ればこの様にネジで固定されているのが分かりますね。腕時計を固定するときは写真の様に薄いビニールを敷きます。ビニールを敷くのはもちろんキズを付けない為ですが、反面こうする事によって腕時計とバイスが滑りやすくなりますから初心者の方は気をつけましょう。

こうやって”革”を敷く方法もあります。革に厚みがある分固定しにくい訳で、私もあまり使いません。ただ開ける腕時計が18金であったり、新品に近い腕時計はこうやって開けます。この工具は古いので腕時計のケースが当たる所(茶色い所)は”固いコルク?”になっています。もちろんこの茶色い所は回転しますから腕時計のケースのカーブに合わせる事が出来ます。

スクリューバックの腕時計の9割はこの工具を使用します。しかし、この金属部分の厚みは”1cm”しかありません。よってG-SHOCKやセクターなどの分厚い腕時計では工具が浅過ぎて腕時計を固定することは不可能です。

それと先の写真と比べてこの様に片方は、えぐってあります。これは、この様に竜頭を守る為です。

もし、この様にセットすると。

竜頭が金属部に当たってしまいます。

写真の□のところに、裏側の回転方向がありますが腕時計がしっかり固定されていない場合。ケースが左に回転しますから○の所に竜頭が当たってしまい、竜頭を壊します。腕時計をセットする向きには注意が必要ですね。

この工具、最近の物はプラスチックで出来ている様です。こちらが相互リンクの「W-GUARD」さんが販売されている物ですが、実物は見たことが無いので正確な判断は出来ないです。でも、この工具はプラスチックの方が使い勝手は良いでしょう。

ちなみに”このスクリューバックの裏蓋はこの工具で固定しないと開けられないか?”といった疑問を持つ方がいても不思議ではありません。私などは腕時計は左手の平をバイス替わりにして手で固定して右手でオープナーで回して開ける事も出来ます。(渾身の力で締め込まれた物は無理ですが)

ただ、その方法は余程慣れないと難しいのです。開ける事自体は慣れれば簡単ですが、バイスを使えば腕時計のケースのみ固定します。手で腕時計を持つと、どうしてもベルトも持つ事になりますから”ラグ部に負担を掛けます”。よってベルトを歪める可能性がありますから、あまり推奨は出来ません。

私の工具は”木製”。かなり古い感じがしますね。裏側から見たら木製なのに、表から見ると黒いのは何故か?。これは1990年代になって新しい工具が出てくるにつけ、私などはお客様の前で作業する手前、木製工具では古めかしい工具で大丈夫なのか?。そう思われてはとマジックで塗って重厚な工具に見える様にしたのです。今となっては木目の方がアンティークな感じが出て良かったかも?(;^_^A

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