もし腕時計の竜頭を抜くことが出来たら

自分で出来る究極のメンテナンスは、やはり竜頭を抜かないといけません。その方法はオシドリという部品を押して竜頭を引くのみです。しかし、その箇所は腕時計によって違います。

一つの腕時計で解説しても、他の時計をお持ちの方が同じ位置を押せば時計が壊れます。また抜くときのコツもあります。
よってこれは多数のオシドリパターンを閲覧しない限り自分で竜頭を抜くことはかなり危険な行為になります。

実はオシドリの写真一覧も作っていたのですが先日、あるメールで知りましたがサイトを見て電池交換で小遣い稼ぎを始めてる方が居ます様で。個人で腕時計を楽しむ分や、商売でされる方が参考にするのは理解出来ますが、あまり商売ネタを無料公開するのもと考えを改めました。
このサイトの情報程度でご近所相手に小遣い稼ぎは火傷しますよ。でも返せば、このサイトってそれくらいの価値ある情報を公開してるって事か?

でもネットって所は爆弾の作り方を公開して、それを見た人が実際に作って使用する世の中ですから、情報の活かし方は個人の善意にゆだねるしか無いのもネット特性か?(v_v)。

しかし、もし抜けた場合は竜頭の裏側も掃除が出来ます。竜頭から湿気が混入するのは竜頭パッキンの劣化です。
それはこの位置が長期でこの写真の様にホコリが付いて、そこに湿気が停滞する為に起こります。ココは爪楊枝やブラシで掃除します。

この程度までは。竜頭を抜けばムーブメントが取り出せますから腕時計のケースごと超音波洗浄機に放り込めば完璧なケースの掃除が出来ます。竜頭パイプ内部も歯間ブラシで掃除します。すると必ず写真の様にホコリが出て来ます。

またムーブメントを取り出せば小キズの付いたケースもAmorを付けて思い切ったバフ掛けする事が出来ますね。この様にピッカピカ!に出来ます。

ラグ部もバフ掛けすれば。ピッカピカ!

綿棒で拭く以上の新品仕上げも可能。裏蓋とケースが接触する部分もピッカピカ。竜頭を回すのが固い場合は竜頭パッキンが乾燥しています。その場合でも抜いてグリスを塗れば軽くなります。

それだけではありません。数年使用するとパッキンの劣化で腕時計内部に水滴が付く場合があります。これはCooの腕時計のよくある質問でも解説しましたが、放置するとムーブメントにサビが浮いてきます。そうなれば修理も不可能になります。

その時にでも竜頭が抜ければ、取りあえず湿気だけは取る事が出来ますから、サビが浮くことは回避出来ます。

ガラスの内側の水滴は裏蓋を開けるのみでは取れない事が多いのです。
裏蓋だけ開けて乾燥させても文字盤とガラスの空間は湿気が抜けません。そのまま放置すれば、こうなります。

1週間も放置しますと針にサビが浮いてきます。これは修正は不可能。針を交換するしかありません。水滴が入っても24時間以内にムーブメントを取り出せればこういった状態にはならない訳ですね。(この状態でも腕時計は正確に時間を刻んでます。CITIZEN/Eco Driveは強い!)

もし腕時計に水が入って曇った場合ですが、時計店に持ち込まれましても”分解掃除”でお預かりするしか方法はありません。でも竜頭が抜ければムーブメントを取り出して乾燥すればケース内部やムーブメントの湿気を取り除く事が出来ます。

もちろん乾燥と同時に油も乾燥しますから分解掃除が必要になる訳です。ムーブメントを取り出して乾燥のみ。それは間違っても時計店では出来ないです。時計店にとっては簡単な作業ですが、この作業でいくら頂くか?リスクも背負って。といった判断になります。でも数千円頂くなら分解掃除も変わらないですからご理解の程を。

私の場合、こういった状況の腕時計が持ち込まれましたら、ご理解頂けた方のみ電池も湿気て放電しているとして、電池交換のついでと言うことで、この作業をして上げます。でも何人かは「やはり遅れて来ましたね」と分解掃除に持ち込まれます。でも腕時計が1万円未満の場合は分解掃除に持ち込まれる方は居ないですが。

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